文庫

サハラ砂漠の王子さま

たかのてるこの旅行記第2弾。おもしろいなぁーこれ。 3人のうち誰が一番早く下まで駆け下りることができるかを、何度も何度も競い合う。私たちは時間を忘れ、子どもに還ったようになってハシャギまくった。誰もいない、何をしたっていい、どんな大声を出し…

ガンジス河でバタフライ

タイトルに惹かれて買った。なにかといえば旅モノばかり読んでいるが、これはおもしろいなぁ。 まだ途中までしか読めてないのだが、 ひとつひとつの選択が新しい出会いにつながって、次の旅先がおのずと決まっていくことの不思議さを、私は感じずにはいられ…

冒険女王 女ひとり旅、乞食列車一万二千キロ!

1998年3月、上海、蘭州、ウルムチなどを経て、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イスタンブールにたどり着くまでを描く。沢木耕太郎の深夜特急では香港からデリーを経てイスタンブールへと入り、林芙美子の下駄で歩いた巴里では、朝鮮…

林芙美子随筆集

前の「下駄で歩いた巴里」は、前半は紀行文の体裁で非常に面白く読めたのだが、後半、日本を舞台として書かれたものが多く、奈良や京都、大阪を題材にした短篇はともかく、ほかの短篇は正直楽しめずに終ってしまった。日を置いて、もう一度読むといいかもし…

下駄で歩いた巴里 (2)

奈良に関する記述。 奈良では古道具屋を見て歩くのが好きです。油壷の愛らしいのを見たり、古書の虫の食ったのをめくってみたりしたものです。奈良は空が綺麗だと思いました。空が綺麗だから、古道具なんかの並んだ軒が深くて、陳列の品々が澄んで見えるよう…

それから (2)

読み終えた。 かつて読んだ頃の記憶がさっばりなくなっていた。その頃自分がなにを考えて読んでいたのかもさっぱり思い出せない。ただ、時間つぶしのために読んでいたのだろう。 理屈や信条、思想の遂行を描いた本作は、自分にはおもしろく読めた。しかし、…

それから (1)

晩、高校の頃読んだ漱石の「それから」を読み返してみる。30にもなって親の金で暮らしている男が主人公の小説だ。冒頭、そんな悠々自適な生活を送っている理由を、小難く長々と書かれている。鼻につくが、それが面白かったりもする。漱石は明治の作家だ。…

下駄で歩いた巴里 (1)

前に図書館で借りていた「放浪記」は、3度も延長して合計2ヵ月手元にあったものの読み終らない。またいつか読み直そう。前も書いたけれど、「放浪記」はゆっくりと読みたい本なのだ。 気分を変えて借りたのが岩波文庫「下駄で歩いた巴里」。タイトルからし…

新版 放浪記 (3)

食後、林芙美子の「放浪記」の続きを読む。頭の中だけ大正時代に飛ぶ。大正時代と現代は何が同じで何が違うのか。この本の中には横文字がずいぶん出てくるのだ。アイスクリーム、ソース、ビフテキ、コンクリート、シャツ、ストーヴ。だけれど今はもうほとん…

新版 放浪記 (2)

ではまた大正時代の様子を眺めてみよう。芙美子は四国への帰省途中、神戸駅で途中下車した。 暑い陽ざしだった。だが私には、アイスクリームも、氷も買えない。ホームでさっぱりと顔を洗うと、生ぬるい水を腹いっぱいに呑んで、黄いろい汚れた鏡に、みずひき…

新版 放浪記 (1)

まず、時代背景がものすごい。 明治36年(1903年)に生まれ、昭和26年(1951年)に没した林芙美子の代表作が、「浮雲」であり、この「放浪記」であった。放浪記は大正11年(1922年)からの5年間を日記風につづった随筆/自叙伝である。 …

浮雲 (5) : 読了

やっと読み終えた。ひと月かかる。 冒頭、敦賀に始まり、東京、ハイフォン(ヴェトナム)、ハノイ、サイゴン、ホイアン、フエ、そしてダラット。伊香保(群馬県)、鹿児島そして屋久島へと語られる場所が変わってゆく。旅好きの自分としては、それだけで満足…

浮雲 (4):「の」の撥音化「ン」

ともすると、プログラミング言語の解説書やウェブの記事ばかり読む生活になっているし、最近は現代小説しか読んでいないので、昔の文体・昔の表現の詰まっているこの作品は逆に新鮮だ。ウェブの記事は特に口語体で書かれていることが多くて、はじめはその柔…

浮雲 (3):単語集(いかだかづら・李香蘭・練馬大根)

以下、リンク先から引用または参考にした。 いかだかづら 1. ブーゲンビレア。8月21日の誕生花のひとつ。花言葉は「あなたは魅力的」。ちなみに献血記念日でもある。同日が誕生日の有名人は関根勤。(→8月の「今日はどんな日?」)2. "オシロイバナ科の半…

浮雲 (2):ピッツバーグ大学

小説「浮雲」は、時代背景もあってか意味のわからない単語がかなりたくさん出てくるので、いろいろ調べてると、こんなページ が出てきた。この小説を読んでみたくて、書店へ行っても売ってなくて、「青空文庫」にも未収録で、図書館でやっと見つけることがで…

浮雲:地名

地球の歩き方「ベトナム」のダラットのページに、この小説のことが書いてあった。林芙美子は、従軍記者だったらしく、そのとき立ち寄ったダラットを舞台にこの小説を書いたのだという。先日のヴェトナム旅行から帰国して、10月1日に内定式を控えた9月末…