サハラ砂漠の王子さま

サハラ砂漠の王子さま (幻冬舎文庫)
たかのてるこ旅行記第2弾。おもしろいなぁーこれ。

3人のうち誰が一番早く下まで駆け下りることができるかを、何度も何度も競い合う。私たちは時間を忘れ、子どもに還ったようになってハシャギまくった。誰もいない、何をしたっていい、どんな大声を出してもかまわない、砂漠はいい大人がバカになるのにもってこいの遊び場だった。

サハラ砂漠の王子さま」(幻冬舎文庫) p.244

砂漠での1シーン。わかるなぁ、この気分。自分もついこないだ真夜中の鳥取砂丘でひゃーひゃー言って遊んでたものなぁ。
この本、前作「ガンジス河でバタフライ」にも登場していた「おかん」や「さくら」などが出演しバカバカしい(が、絶対笑える)エピソードから始まるのだが、フランス、スペインを過ぎ、モロッコへ入ったあたりから旅情を掻き立てる描写がズンズン増えていく。たとえばエッサウィラという街での会話。

「バスから見えたエッサウィラの青い窓の白い家々があんまりきれいだったんで驚きましたよ。しかも、あなたの服までエッサウィラ・カラー!」
 青いアラブ版ロングドレス姿のお母さんは、声をあげて愉快そうにわらった。
「この港町は、白と青を基調にして造られているのよ。モロッコはどの街も、その街に一番ふさわしい色で統一されているの」

サハラ砂漠の王子さま」(幻冬舎文庫) p.160

こんな会話を聞いて、モロッコへ行きたくないという人がいるのだろうか。他にもクスクスやタジンというモロッコ料理の描写も見逃せない。
あーこの分だと、次の旅はモロッコだなぁ。(ちなみにこの本は、「モロッコで断食(ラマダーン)」とあわせて前後編構成になっているようだ。)