新版 放浪記 (3)

食後、林芙美子の「放浪記」の続きを読む。頭の中だけ大正時代に飛ぶ。大正時代と現代は何が同じで何が違うのか。この本の中には横文字がずいぶん出てくるのだ。アイスクリーム、ソース、ビフテキ、コンクリート、シャツ、ストーヴ。だけれど今はもうほとんど見なくなった言葉もやはり多くある。銀杏返し桃割れ、丸髷、鬢(びん)、信玄袋、支那蕎麦。日本髪に関する言葉がさっぱりである。
しかしこのような相違点や同じ点を眺めるにつけ、大正という時代をもっと知りたくなってくる。今の僕の限界は、コマの速いモノクロ映画と薄汚い炭坑の街、ザンギリ頭をたたいてみれば文明開化の音がする、などなど。イメージが先行し過ぎる感はあるけれど。ただし、これより先を想像することはできない。

Wikipedia/大正時代
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%AD%A3%E6%99%82%E4%BB%A3
電通古今東西広告館:大正時代のハイカラグッズ
http://www.dentsu.co.jp/MUSEUM/taisho/1st/top.html