ハイブリッド日本語

よく思い出してみると、「東京弁や横浜弁が飛び交う職場に自分が適合できるわけがない」と考えて京都の会社に就職したのに、まわりではその東京弁や横浜弁が飛び交っている。いまでも許せないけど、いい年したオッサンが軽めに「〜じゃん」とか言うのを聞くと、眉間にグーのパンチを見舞いたくなる。幸い、ケーハクな「〜じゃん」を使うオッサンは周りにいないけど。
まわりから東京弁が聞こえるになったのはたぶん学部のときからだけど、ある時東京方面の友達としゃべっていて「あれ、自分の関西弁ってだいぶ乱暴に聞こえるとちゃうん?」と思ったことがあった。それから自分の関西弁が変質していった。一時期「関西人のしゃべるニセ東京弁」になったことがあったのだけど、途中からなにかこれは関西人としての魂を売り渡すことになるんじゃないか?と思うようになった。東京アクセントの東京弁を操るのは、ある意味潔いように思うのだけど、関西人のしゃべるニセ東京弁(=たとえば、次長課長の河本さん)はカッコワルイような気がして嫌いだった。河本さんは好きだけど。
そこで僕が編み出したのが、「東京アクセントにナチュラルな関西弁を織り交ぜたハイブリッド日本語」だった。困るのが、旅先で会った人に「トーキョーの人ですか?」と聞かれること。まあ自分はモノシズカな方なので「関西人はやかましい」という先入観がある人にとっては、間違う可能性を高めてしまうのだと思う。でもやっぱり心外。
こないだ入院した先の病院は、みーんなナチュラル関西弁を使っていた。看護婦さんが「ハシモトさーん、血糖はからしてな」「どうしたん?おしっこか?」「ごはん全部食べれたか?」(←全部関西アクセントで呼んでください)とかって言っているのを聞いていると、ものすごく心地よかった。
あーそーだった。僕も高校までは関西弁どっぷりの生活空間にいたはずだ。もうちょっと関西弁を取り戻していきたいな。