貴船へ

せっかくのGWだしせっかくの天気だし、ということでお仕事を休んでMさんと貴船へおでかけした。
待ち合わせは出町柳に1時半だったのだけど、だいぶん早めにウチを出てしまって、京阪三条まで歩いてもまだまだ時間があまってしまっていた。それならっていうので丸太町まで歩いてみても、まだ時間があまっている。路線図では出町柳まであと一駅分。というわけで出町柳まで完歩。少々疲れたけど、この疲れ具合も気持ちいい。
叡山電鉄出町柳駅の改札前には、香港からの旅行客とおぼしき団体がいてツアーの添乗員さんからレクチャーを受けていた。落ち合ったMがいうには、バスを仕立てて旅行するのは日本人のツアーくらいのもので、韓国など他の国のツアー客は公共機関を使って移動するのが基本なのだそうだ。
叡電には初めて乗ったのだけど、半分チンチン電車のような感じでかわいらしい。無人の駅もあるらしく、乗客はわざわざ車内前方まで移動し、運転士に切符を渡して降車するというしくみになっていた。
車窓から見える景色にだんだんと緑が増えてきたころ、目的地の貴船口に到着した。降車するとすぐに聞こえてくる水の音。その空気に、一瞬にして癒される気分がした。PCのモーター音に囲まれている毎日から比べると、まさに天と地との差。道路の左側には山肌が、右側には小川が見え、小川の向こうには鞍馬山が迫っている。左側の山肌には、ところどころ「ここは国有林です」だとか「土砂崩れを防ぐために植林しています」のような看板が立っていてへぇーといったかんじだった。
しばらく歩いていると、料理旅館が立ち並ぶにぎやかな通りに出てきた。そのあたりになると、さきほどの小川も川幅がすこし増し、そこに貴船名物の川床が並んでいていかにも風流な雰囲気を醸し出していた。こういうところの旅館に泊るっていうことは、まさに川床と貴船神社、あるいは鞍馬山鞍馬寺だけを目的としているっていうことで、ある意味贅沢なことだなぁと思えた。両親にこんなところの旅館に泊めさせてあげれば喜ぶんじゃないだろうか。かなり落ち着き払った土地なので、「まだそんな年じゃないやい!」とかって言われそうだけど。
貴船神社のお社はなぜか新品ぽくてありがたみが薄い。水の神を祭るということで、おみくじは水に浸すと結果が出てくるタイプのものだったりする。あとお水を汲んで帰るための水筒300円也が売られてたりしてちょっと面白かった。
神社に必ずある手水鉢で手をゆすぐ。鳥居に始まり、階段、手水鉢、おみくじ、絵馬、お賽銭など、だれかが「神社は古代のエンターテインメント施設だ」なんて言ってたけど、まさにその通りだなと思ったりした。GWとはいえ、現代でもこれだけ人が集まってるっていうのはすごいことだと思う。そうそう、絵馬の発祥もこの貴船神社なのだそうでひとつお勉強になった。
普段から会社の帰りを歩いて帰ったりしているので、歩くのは慣れているほうなのだけど、結局今日は、ウチ〜出町柳貴船口貴船神社のそれぞれ往復を歩いてだいぶ疲れてしまった。ただ、肉体的な疲れは心地いい。久しぶりに湯船にお湯をため、ゆっくりと身体を沈めると、貴船の小川から感じるマイナスイオンを思い出して、かなり気分がリフレッシュできた。急な貴船行きを快諾してくれたMにも大謝々了だ。