ジェネリック医薬品

昨日15日の「きょうの出来事」(日本テレビ)でジェネリック医薬品の特集が組まれており、先般入院し今もまだ薬を服用している身として興味深く見ることができた。
特集の要旨は次の通り(思い出しながら書いているので、間違いが含まれているかもしれない)。

  • 現在の日本では薬剤費の高騰が懸念されているが、これを避けるものとして「ジェネリック医薬品」という薬がある。
  • ジェネリック医薬品とは、薬剤特許(20〜25年)が切れた成分・効能の変わらない「後発医薬品」のこと。
  • 「先発医薬品」と比べ、価格は2分の1〜4分の1。
  • しかし、ジェネリック医薬品が日本で普及しているとは言い難い。
  • その原因として、「1.営業力の差 2.製品名での処方 3.品質」の3つの点が考えらる。
  • 営業力の差
    • 後発医薬品を扱う薬剤メーカーと先発医薬品を扱うメーカーとの間の「営業力の差」がある。
    • 先発〜のメーカーは1つの大学病院につき1人の営業マンがつくのに対し、後発〜のメーカーは1人の営業マンが複数の病院を回ることがある。
  • 製品名での処方
    • 通常、医師たちは薬を処方するときに製品名で処方する。
    • 薬剤の製品名は2000種類にも及ぶ。内科医が扱う薬でも約50種。
    • ジェネリック医薬品を扱う場合、名前を覚えなおすコストがかかる。
    • それでなくても、薬剤には似た名前のものが多く、過去これが原因の薬の取り間違えで医療事故が起こったケースもある。
  • 品質
    • 番組で「匿名」という条件でインタビューに答えた医師は、「品質が信用できない。自分は絶対飲まない」と言っていた。
  • 一方で、積極的にジェネリック医薬品を取り扱おうとする病院もあり、この病院ではこれまで製品名で薬を処方していたのに対し、成分名で処方するようになった。
  • 成分名の処方箋を薬局に持っていった場合、先発品にするか後発品にするかを患者が選ぶことができる。
  • 政府も薬剤費の削減を狙うため、処方箋に「後発品OKの署名欄」を設けることにした。
  • 医師がこれに署名をしておけば、薬局で先発・後発のどちらでも選択できるようになる。
  • 日本のジェネリック医薬品の普及率は10数%。ジェネリック先進国の英国では55%、米国でも50%近い割合となっている。
  • 政府は新しい処方箋がジェネリック医薬品普及の起爆剤となればと考えている。

いざ入院、となったとき「セカンドオピニオンを求めた方がいいのかな。大学院のときの○○さんってお医者さんだったから、ちょっと聞いたほうがいいかも」「薬はジェネリック使えるなら、そっちの方がいいな」などといろいろアタマに浮かんだのだけど、実際には、気が弱っていたのもあるだろうけど、なるたけ先生のゴキゲンを損ねないように、不用意な質問などは差し控えたほうがいいのではないか?と思ってしまい、結局なにも聞けずジマイだった。やはりこういうのは医療機関の方から打診してくれないと、患者の立場としては切り出しにくいものがある。
番組で取り上げられていた3つの問題点のうち、営業力についてはがんばってくれと言うしかないけど、処方箋については、すでに成分名での処方を実施している病院もあるのだから、他の病院もこれに追随して欲しいと思う。緊急を要するようなケースでは慣れた名前の先発品を使い、外来で薬を買うときには後発品を使うなどの柔軟性はあっていいと思う。品質の問題は、「匿名」の医師が答えたということで、なにかしら先発メーカーと黒いつながりがあるのではないか?と勘繰ってしまった。ただ、このような安全面での保証は、やはり政府が担保してくれるといいのに、と思ってしまう。
今回の入院・通院ではそれほど薬剤費に悩まされたというほどではないのだけど、母方の祖母などはいつも大量に薬を飲んでいるし、自分がいつ重い病気に罹るとも知れない(この思いは入院を機にずっと強くなった)。そんなときのために、品質の保証された安価な薬剤が、無理なく手に入るようになっていって欲しいと思う。