家探しに疲れる

このあいだ、Visual Studio 2005 Express Edition が無償で試せる と知って、歓び勇んで VC# をダウンロード。解説記事 など読みつつ Windows アプリの作り方の勉強をチビチビ進めていたのだけど、よく考えたらそんなゴツイ Windows アプリなんていらないし、どっちかというと Web アプリのほうが作りたいことに気付いた。
で、休みになったらチクチク Web アプリを作るのを進めようと思っていた矢先、今借りてる部屋を更新するための書類が届いた。この賃貸マンション、更新は1年に1回、2か月分の家賃を取るのでかなりバカにならない。あとは「今より広いところ」というくらいしか大したモチベーションのないまま、不動産屋さんに行ってみた。
応対してくれたお兄さんによると、今住んでいるマンションは本来分譲マンションの物件で、狭いことを除けば、立地も設備もかなり良い部類に入るところということで、他の並みの物件では見劣りがしてしまうということだった。こちらも今より多少はお金を出してもいい心積もりだったので、自分としてはソコソコの予算を言ったもののなかなか思うような物件にめぐり合うことができない。
なんとなく「8〜10畳のリビングダイニング」+「6畳くらいの寝室」というような物件を想像していたのだけど、そもそも地下鉄烏丸線沿線にはこのような物件は少ないらしい。御池〜丸太町〜今出川鞍馬口あたりは学生が多く住む街なので、家主さんも1Lのような部屋を作るくらいなら同じスペースを使って1Kやワンルームを2ツ作る傾向があるというのだ。で、もともと地価も高いため家賃も8〜9万はあたりまえ、10万円を超えてもおかしくないような世界らしい(京都駅以南になると急に家賃がグッと下がり、上記のような物件が6〜7万であったりする)。
今住んでいる部屋の最も気に入らないのが、更新が1年に1度・家賃2ヶ月分というところ。これも不動産屋さんに聞くと「更新料」というのは京都独特の習慣らしい。今の部屋は、分譲マンションで1部屋1部屋オーナーが異なり、そのオーナーが管理会社→不動産屋を通じてマサキと契約しているというテイになっているらしい。更新料はそのオーナーのさじ加減ひとつで決まるというのだから、けっこうエエ加減な商売なものだ。
1軒紹介してもらった部屋は、家賃はソコソコ張るものの、今より広く、見劣りもせず、なんと更新料が無いという部屋だった(建てたのが大阪の業者だったらしく、そのような制度は導入しなかったのだそうだ)。間取りも理想とまではいかないけれどまあまあ。まだ入居している人がいるので内覧まではできなかったが、外観もきれい。部屋も高いところ(←バカなので高いところが好き)。
いいなーと心動かされ、不動産屋に戻ろうと車に乗り込んだ瞬間、後ろから別の不動産屋の車が! 話によると、京都の不動産は、オーナーが各不動産代理店に「部屋空きました。発注かけてください!」と言ってまわるため、どこの不動産屋さんでも同じような物件が並んでいるらしい。不動産屋はまさに代理店的な立場で、そのマンションを管理している会社と連絡を取り、まだ空いていればそこにおさまることができるし、ウカウカしていると別の不動産屋さんが押さえてしまうということもある。管理会社は住人の解約申請が出た時点で代理店に募集をかけるのだが、優良物件の場合は前入居者が退去する前までに次の入居者が決まることが多い。今の部屋を決めたときもまさにそんな状態で、内覧ナシで決めてしまったため思ったより狭い室内に少し愕然とした覚えがある。そんな思いもあり、できれば内覧したいと申し出たのだが、「逆に内覧できるまで残っている物件ってそんなに良い物件じゃないんですよ」と不動産屋さんのお兄さんは言っていた。なるほどそれもそうかも。
このあたり、格安航空券を買うときと似てるなと思った。航空会社が代理店に卸値を明かし、それに代理店の利益分を上乗せした価格をウェブの広告などに出す。それを見て航空券の予約をするのだけど、飛ぶ飛行機は決まっているため、確保できる座席数も決まっている。代理店自体があらかじめ何席か確保しているというわけではなく、問い合わせて空いていれば乗れるし、空いていなければ他の代理店とかけあってもその便には乗れない、というまさに椅子取りゲームが繰り広げられる。航空券の場合は乗れさえすれば良く、内覧とか無い分気が楽だけど。
話を戻して、後ろからやってきた別の不動産屋の車の話。不動産屋さんのお兄さんは「げ、やばい!同じ物件見に来てますよあれ」と言って、あわてて店に電話して「押さえ」をしてもらえるように頼んでくれた。「○○○○になんか負けてられません。ここで負けたら僕も悔しいですしね」と心強いことを言ってくれる。この少し前の時点ではまだ断る余地もあったのだが、こうなってはもう決めるしかない。
だが、幸か不幸か向こうが先に「押さえ」ていたらしく、まさにタッチの差でこの優良物件を逃してしまった。ただ、向こうが出した契約申込書はとりあえずのテキトーなものだったらしく、そこを突いて管理会社にいろいろ交渉してくれた。こちらも完璧な申込書(保証人の欄もきちんと埋めた)を用意して撃つべき弾はすべて撃った。・・・しかし、向こうが伝家の宝刀「法人契約」を持ち出し、万事休す。個人契約、もろくも敗れ去る。この業界では法人契約は絶大なる力を発揮するらしい。ちくしょー。
そのあと別の物件も紹介してくれたのだけど、正直ピンと来ない。海外旅行中なら「あ〜も〜い〜です!」ってカンタンに打ち切ることができるのだけど、日本人相手だとどうもそこまで割り切れない。本当なら明日また別の不動産屋で仕切りなおしたいと思っていたのに「また明日出直します」と中途半端なことを言ってしまったものだから、すぐさま「何時ごろ来られますか?」と切り替えされてしまった。・・・。明日10時、再チャレンジ。まあ、お兄さんの言うことを信じれば、どこの不動産屋に行っても同じ物件しかないので、同じっちゃあ同じなのだけど。
帰ると、人としゃべりすぎたときの精神的な疲れがどっと出てしまい、せっかくの土曜なのに自炊する気力も無くなる。夕食は、豚丼やらフランクフルトやら円熟やらせんべいやらチョコやらというダメダメなジャンクフードで済ませてしまった(余計疲れた)。あーあー。