つぶやき声もOK

つぶやき声もOK、耳のうしろで音拾う新型マイク開発

 他人に聞こえないつぶやき声を明りょうに捕らえるマイクを、奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)の情報科学研究科に在学中の内科医中島淑貴さん(44)が開発した。

 声帯から出る音ではなく、顔の筋肉に伝わる〈音〉を拾うため、雑音が混じらず、喉頭(こうとう)がんや神経・筋疾患で声帯をうまく使えない人の会話もサポートできる。世界初で国際特許を出願中だ。

 通常の音声を口元で拾うと、雑音が混じるうえ、他人に聞こえてしまう。中島さんは雑音を除くため、他人に聞こえないつぶやき声に着目した。音の強さは通常の数千分の1で、「非可聴つぶやき(NAM)音」と名付けた。

 聴診器を当てて調べると、耳の後ろの首の付け根でよく聞こえることがわかり、皮膚に密着させるマイク(直径1センチ、厚さ0・5センチ)を開発した。認識率は90%以上。室内で大音量のステレオをかけても十分聞き取れたという。

 NAM音を通常の音声に変換するソフトも開発中で、完成すれば、他人に聞かれずに携帯電話をかけたり、コンピューターを操作したりすることもできる。中島さんは「コミュニケーションで新しい文化が生まれるかも」と話している。

 音声を研究している庄境誠・旭化成情報技術研究所長の話「我々が長年苦しんできた雑音が解消できる発明。音声入力の世界標準になる可能性がある」(読売新聞)

[4月5日17時6分更新]

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開発の現場にたまたま僕は居合わせていて、中島さんが内外から高い評価を得ていることはもちろん知っているのだけど、こうやって一般の新聞に掲載されたことは非常に誇らしい感じがする。自分はちょっと実験に付き合っただけなのだけど。
まあ、たぶん、世界は変わると思います。