ちょっと待って、神様 (3)

第3週。久留(くるめ)家の娘、リサを中心に物語が進む。
第1週冒頭に久留竜子(泉ピン子)が事故で亡くなり、それからというもの炊事洗濯などを娘のリサが一手に引き受けていた。自分だけが家事を担っていることへの不満、そして母親の一生が簡単に誰かに取って代わられてしまうようなつまらないものだったのではないかという思いがリサの中で爆発する。
竜子は同じ事故に遭いながらも一命をとりとめた秋日子(宮崎あおい)の身体を借り、地上で生活している。不満をぶちまけるリサに、秋日子(竜子)は言うのだ。「お母さんみたいにならなくていいから。家族の心配ばかりして、料理や掃除だけしてるような人にならなくていいから。リサは自分の夢を追いかけてもいいんだよ」と。なかなか言えない言葉だ。ある意味で自分を犠牲にしてでも子の幸せを願う。これが親ってものかもしれない。
また、竜子の夫・一夫(津嘉山正種)もリサに言う。「お母さんの一生が、そんなにつまらないものだったとは思わない。人の一生はなにかすごいことを成し遂げたから価値があるのではないと思う。いてくれるだけで安らかになれる。お父さんはリサにそんな大人になって欲しい」と。お金で買えない価値がある、というのは MasterCard のコピーだけど、家を出てから痛感するものなぁ、母親の偉大さというのは。健康的な生活を送れるのは、たとえ家事一般に限ったとしても、ひとえに母親のおかげだと思う。