ミラーニューロンをめぐる議論

T: ミラーニューロンの工学モデル出来ないもんかな
M: ミラーニューロン?なんですかそれ?
T: 真似ニューロン
T: えぇーと、例えば俺が右手あげるよね
T: M 君はただそれをみてるだけ
T: だけれども脳活動が同じような動作をする
T: そう言うニューロンがあるんです
T: 何年か前に結構話題にはなったんです
M: 俺は右手を上げたくなるのね。
M: 左手かな。
T: うーん
T: 挙げたいかどうかというより脳でシミュレーションするんでしょうね
M: へええ
T: 結局シミュレーションと実際の動いたときの脳活動の差は意外と小さいって事なんでしょうね
M: 自分の中で相手の動きを認識・解釈しようとすることが、「シミュレーション」って言葉の意味なのかなな?
T: まぁそだね
M: それはなんか分かる気がする。
M: たぶん言語にしても同じで、どこか無意識的且つとっさに、相手の言葉を反芻して意味を理解してるんだと思う。
T: 子供の頃からずっと真似してると想う
T: でなれちゃってるからあんまり意識してないけどね
M: 良いね。「脳がちゃんと学習してる」って感じがする。
T: うん
T: それなんだよね
T: 脳の場合生まれてからそれを常にしている
T: 10年くらいはきっと口が上手く動かないのはその辺の学習が不十分だから?かなと
M: 「認識は反芻から生まれる。それを司ってるのがミラーニューロンである。」で解釈していいですか?
T: そこまで分かってはいないと思う
T: でも似たような感覚なんじゃないかな
T: 認識と言っていいのかちょっと微妙かな
M: えと、「認識」は「理解」のための第1ステップというイメージで使いました。
T: うん
T: 運動に関するものしかまだ研究してないとおもうから
T: というか出来ないってことかもしれんけど
M: ほんとはもう少し低い次元のステップなんだと思うけど。
T: うん、そんな感じだと思う
T: 猿にもあってね
T: F5野っていう部分でその活動が見られたって
T: でそのF5野って人でいうとブローカ野でね
M: (そういうの好きだねえ。続けてください。)
T: w
T: ブローカ失語症のブローカ野ね
T: 運動言語野って言うほどだから
T: スゴーく音声の生成に関係強いでしょ
M: と、じゃ解釈しますね。
T: してくださいw
M: 「認識および理解」の一番はじめのステップにミラーニューロンのはたらきが関係している。
M: 猿だと同じような働きがF5野という部分で観察された。
M: F5野は人間で言うとブローカ野という部分に対応する。
M: ブローカ野は運動言語野とも言う。
T: ですね
M: 運動言語野という語感はどうも音声生成と近そうな気がする。
M: で、質問。
T: ほい
M: 真似するのがミラーニューロンでした。
T: ええ
M: それはべつに言語活動に限定しない話でもあった。
T: というより運動にかんするものかな
T: 今はっきりしてるのは
M: はい。
M: んで・・・
M: 猿のF5野の観察はわかったけど、人間でのブローカ野の観察はやってないのですか?
T: えーと
T: やってると思いますが
M: 人間はブローカ野以外にもミラーニューロンの働きが見られる?
T: ええ
T: 運動に関する部分では全部知ってるわけではないから正確にはしらんですが確か他でもいくつか見られたはずです
M: いや、人間だと他にも観察されるので、より下等(であろう)猿で観察しなおしてみた。という話なら理解できます。
M: 「運動言語野という語感はどうも音声生成と近そうな気がする」のは T 説?
T: いや
T: ブローカ失語症って
T: そもそも名前の由来になるくらいですから
M: あ、そかそか。
T: ウェルニッケといっしょに古くから言語にかかるわる部分です
T: ブロ−カ野の方が損傷するとめちゃくちゃな発音になってしまう
T: ウェルニッケの方が損傷すると文章の理解が出来なくなる
T: って内容だったよう記憶がかすかにありますw
M: (笑)。
T: 伝導性失語症ってのも確かあって
T: それはこの2つの間が損傷してる場合で
T: そん時には
T: 発音は出来てて理解もできてるけど
T: 単語がめちゃくちゃ
T: って事だったと思います
M: # 伝導失語症「聴覚性言語中枢から運動性言語中枢への伝導路が切断され、特に復唱困難を招来する。」
M: http://akimichi.homeunix.net/~emile/aki/medical/otolaryngology/node55.html
T: 招来w
T: なるほど
M: うーん。脳内のどのような活動が言語生成に関わっているのか?って話やんね。いままでの話は。
M: 少しミラーニューロンの話に戻ると、どっちかというと、このミラーニューロンは、(言語に限ると)言語の生成というより、理解に関係しているように思えるんやけど。
T: ほう
M: ミラーニューロンの活動により認識の第1ステップ(おれはこれを「反芻」と呼ぼう)が促される。
M: で、反芻した「なにものか」が自分の脳内の言語辞書と近いものの想起を促して、自分の理解へと持って行く。と。(言葉はしょりました。)
T: うん異論はないっす
M: その脳内辞書の共有がうまくできてないと、議論ができないとかってことが起こったりする。
M: これが戦争を生む(笑)。
T: w
T: ただ言語辞書と近いものが想起、これができる状態は既に音声がかなり使えてる状態かなって気がします
M: あ、そりゃそうです。大人の言語理解についての話です。
T: なるほど
M: 赤ちゃんはまた別で、おもしろくなりそうやけど、考察したことないですね。
T: 多分言語生成でミラーニューロンンが大きく関わるのは子供かなと
T: 赤ちゃん〜10歳くらいかなと
M: ほー。
T: 小学生は発音が出来てるよう出来てないでしょ
T: 出来てるようで
M: はい。
T: まず音声合成の目指すのは子供でいいかなと
T: 勿論できるならいきなり大人の真似でいいんですけど
M: あ〜、俺の今の話は音声合成とか研究とかとはまた別に考えてた話です。
T: うん、そうですね
T: 知識の共有はかなり難しいですね
T: まぁ単語的な辞書の共有にしても誤解のないように正確な共有ができれば良いんですがね
M: 脳内辞書をモデルと言い替えると、人って経験を経ながら内部モデルを巧妙にたくさん作り続けてるわけで、でも経験からは人生を生き抜く上でのモデル(=処世術?)は得られるけれど、「じゃあ何がしたいの?」という欲求はモデルからは得られないんじゃないか?と感じています。
T: なるほど
T: 処世術ってのは幾らでも文献にすら書いてあったりしますしね
M: そやね。
M: だから色々知っていくことも大事やけど、人生を左右するような決断を迫られるときにここぞという馬鹿力を発揮してくれるのは、モデルではない、なにかなんでしょう。
M: そのなにか、が俺にはまだよく分かっていません。
T: でもそれが完全にわかったら人生面白くはないかもしれない
M: それもまたモデルになるのかな?(苦笑)
T: モデルといえるのかわからないですね
T: きっと確率だけではどうにもならないでしょうね
M: てことで、随分飛躍してしまってすまんです。
T: モデルってのはやっぱ表層だけでしょうしね