嵐山行

初めて嵐山へ行った。よくテレビで映し出される渡月橋は想像以上に印象深い。山手に目を遣ると川が小さな段になっていて、段の上の川面は静か。小振りの遊覧船が数隻浮かんでいた。山は意外に近いところで何重にも重なり川上を隠している。トロッコ列車に乗ると、川沿いを見ながら川登りができるとのことだった。
街並みも「宿場町」といった風で、趣深い。ロトルア*1を思い出した。温泉が湧いていたらいいのに。
歩みを進めると右手に京福電鉄 http://www.keifuku.jp/ の嵐山駅、左手に 天竜寺 が見える。嵐山駅は立派だ。天竜寺の庭園を見学すると、スペイン語を話す外国人団体客がおり、( 職員の? ) おじさんが派手なパフォーマンスで池の鯉に餌をやると、彼らは大喜びだった。裏門を抜けると、左右を竹林で囲まれた道に出る。今朝の雨のせいで、すこし湿った空気が立ち込めるが、竹の香りとあいまって気持ちがいい。マイナスイオンが充満してそうだった。
祗王寺に向かう。連れの友達のお勧めなのだそうだ。規模は決して大きくない小さ目の庭がメインの見所。苔生し、そぞろに立つ木が影を作りその色合いが美しい、心落ち着く場所だった。敷地内に立つ庵には、仏と化した平清盛像や祗王が並んでいた。祗王とは清盛の寵愛を受けた女性なのだそうだ。庵の中は「おじいちゃんの家の匂い」がする。要するに古い家の匂いだ。決して悪くない、落ち着く香りだった。
嵐山というと、桜や紅葉の名所としてよく紹介されるところだが、この時期に行っても良いなあと思えた。春夏秋冬、すべての季節に訪れたい。