ぼくらは朝をリレーするのだ

ネスカフェのCM(1, 2)だ。1度きりしか見てないのだが非常に印象深い。小学校か中学校の国語の授業で触れた、谷川俊太郎の「朝のリレー」という詩を朗読している。この詩ではじめて「カムチャツカ」という言葉を覚えたような気がする。

「朝のリレー」 谷川俊太郎
カムチャツカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている
ニューヨークの少女が
ほほえみながら寝がえりをうつとき
ローマの少年は
柱頭を染める朝陽にウインクする
この地球では
いつもどこかで朝がはじまっている

ぼくらは朝をリレーするのだ
経度から経度へと
そうしていわば交替で地球を守る
眠る前のひととき耳をすますと
どこか遠くで目覚時計のベルが鳴ってる
それはあなたの送った朝を
誰かがしっかりと受けとめた証拠なのだ

詩を読んでみよう

十年ぶりくらいにこの詩をTVから聞いた時、なんともいえない気分につつまれた。けして悪い気分じゃない。清々しいような気分と淋しいような気分が同居する。
お尻を突き出して眠りこける子供が愛らしい。このCMに映っている人物は、これまでの自分とこれからの自分を映し出したものなのだ。きっと。