メトロイドプライム

メトロイドプライム - Amazonへ旅のスタイルというのは、十人十色である。積極的に地元の旅行代理店の催すツアーに参加したり、一カ所に留まり続けたりと。自分はどちらかというと後者が好みで、街中を日がな一日歩き回ることが多い。市場を覗き、お昼を食べ、お茶を飲み、公園で休憩し、土産物屋をひやかして、道に迷い、そしてまた歩く。そんな風にして僕は国、街、土地の雰囲気を味わう。
メトロイドプライム』は、かつて鳥人文明の栄えていた星「ターロン IV」を舞台としている。ゲームとしてはゼルダやマリオ、あるいはバイオハザードのような見下ろし型ではなく、主観画面をメインとしたシューティング・謎解きを楽しむものだ。プレイヤーはターロン IV を探索することで、鳥人文明に隠された秘密を解くことを求められる。
この探索がめっぽう楽しい。SF を基調とした世界観はベーシックと言えばベーシック、とくに奇を衒(てら)うということもなく、正統を貫いている。この正統の世界観を、主観画面で見せ、それを自由に探索できるのである。
自分は主観画面で進むゲームは初めてなのだが、まったく違和感がなかった。それどころか、この手法でないとターロン IV とメトロイドプライムの世界は描けなかっただろう。プレイ後には、パズルの最後のピースがぴったりはまったような気持ち良さ「だけ」が残る。
まさにこれは「街中を日がな一日歩き回る」というスタイルを好む自分としてはたまらないものがある。ターロン IV の雰囲気が、よく、よく伝わってくる。ボリューム(プレイ時間)も多過ぎず少な過ぎず、謎解きやシューティングもそこそこに難しい。満足と言う言葉しか出てこない。
ゲームの枠としての 3D 主観画面アドベンチャー&シューティング。味付けとしての、語りすぎないストーリー。そしてこれらを過不足なく補完する世界観。このゲームは、ゲームとしてかなり高いレベルで完成されている。続編の噂もあるが、期待は高まるばかりだ。

メトロイドプライム - HP
http://www.metroid.jp
メトロイドプライム - Amazon
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ポップ・コラム - メトロイドプライム レビュー
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